Ⅱ剣とカレーと喋る犬

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 どうして、このようなことになったのか。 それは、数分前にさかのぼる―――  ラグナとサリカは横に並び、森の中を進んでいた。二人とも地図も持っているはずもなく、ただ勘だけを頼りに進んでいた。 「サリカ、君はお兄さんを探しているって言ってたけど」  話題はサリカの兄の話に変わっていた。 「ええ。私より7つ上の25歳で、変わっていなければ私とそっくりな顔をしているわ! っていってもラグナは記憶ないもんね」 「ごめん、記憶さえあれば……」  しゅんとする、ラグナにサリカが慌てて言う。 「あ、そんなつもりで言ったんじゃなくてね……」  苦笑しながら、なんとかラグナを傷つけまいと次の言葉を探す。 「でも、もしかしたら記憶を失う前に会ったことがあるのかも! なんてねっ、――きゃっ」  喋り終えた途端、何かに躓き思わず声をあげる。  バランスを崩し、前に倒れそうになるサリカの腕を、ラグナが素早く掴んで支える。 「あ、ありがとう」 「うん。それより……君が躓いたソレ、なんだろう? 」 ラグナが不思議そうに見つめるソレをサリカも一歩下がり、足元を改めて見る。 太く茶色いその物体は、色からして石ではなく、また木の枝でもなかった。 ラグナがかがみ、恐る恐る降れてみる。 「ちょ、良く触れるわね……」 「うん、毛がある……なんだか、動物の尻尾みたいだね」 「そんなにデカイ尻尾の動物っていたかしら? 」 .
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