Ⅱ剣とカレーと喋る犬

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「固いな、まるで鉄の鎧を着ているようだ」  一撃の後、マグナは剣ごと跳ね返された。が、何事もなかったように冷静にランスに魔物の特徴を伝える。 「………あ、あのぉ」  さっきの金属音で顔を歪めた少女――サリカがマグナに恐る恐る、声をかけた。   「うぅ……っ」    青年――ラグナの方は、避けた際に思いきり転倒したらしく、打ち所が悪かったのか、なかなか起き上がらない。 「なんだ」 「あ、貴方たちは………」  サリカの言葉は吠えた獣の声にかき消された。  そのひと吠えの後、獣は蹄で地面を何回も蹴り始めた。 「な、ななななッ、何なの!? 」  その光景に、サリカは自分の身を守るように頭に手を添えた。 .
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