10人が本棚に入れています
本棚に追加
「固いな、まるで鉄の鎧を着ているようだ」
一撃の後、マグナは剣ごと跳ね返された。が、何事もなかったように冷静にランスに魔物の特徴を伝える。
「………あ、あのぉ」
さっきの金属音で顔を歪めた少女――サリカがマグナに恐る恐る、声をかけた。
「うぅ……っ」
青年――ラグナの方は、避けた際に思いきり転倒したらしく、打ち所が悪かったのか、なかなか起き上がらない。
「なんだ」
「あ、貴方たちは………」
サリカの言葉は吠えた獣の声にかき消された。
そのひと吠えの後、獣は蹄で地面を何回も蹴り始めた。
「な、ななななッ、何なの!? 」
その光景に、サリカは自分の身を守るように頭に手を添えた。
.
最初のコメントを投稿しよう!