Ⅱ剣とカレーと喋る犬

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「まさか、突進してくるつもりじゃ……」  サリカの予想通り、獣はこちらへ突っ込んでくるつもりらしい。  しかし、突然現れた二人はというと焦っている様子もない。 「ランス、頼んだぞ」 「はい……」  ランスと呼ばれた方が自身なさげに応える。  そして、もう一人がサリカの方へ顔を向ける。 「おい、そこのお前」 「わ、わたしっ!? 」  もう一人――マグナに呼ばれ、サリカは一瞬、身体を強張らせた。 「な、何? 」  大きな杖を両手で握りしめ、怯えるようにマグナを見る。  マグナはその大きな杖を一瞥するとサリカに問う。 「火属性の魔法を使えるか? 」 .
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