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「まさか、突進してくるつもりじゃ……」
サリカの予想通り、獣はこちらへ突っ込んでくるつもりらしい。
しかし、突然現れた二人はというと焦っている様子もない。
「ランス、頼んだぞ」
「はい……」
ランスと呼ばれた方が自身なさげに応える。
そして、もう一人がサリカの方へ顔を向ける。
「おい、そこのお前」
「わ、わたしっ!? 」
もう一人――マグナに呼ばれ、サリカは一瞬、身体を強張らせた。
「な、何? 」
大きな杖を両手で握りしめ、怯えるようにマグナを見る。
マグナはその大きな杖を一瞥するとサリカに問う。
「火属性の魔法を使えるか? 」
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