Ⅰ記憶喪失の青年と深い森

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(………っ)  何かが、足に勢い良くぶつかる感触。  突然の出来事に青年は眠りから呼び戻される。 (……なにか、いる?) 「痛たた……やだ、膝、擦りむいちゃった」  自分のすぐ近くから聞こえる高い声。 (ヒト……? )  どうやら、ぶつかったのはうさぎなどの動物ではないらしい。  意識が、だんだんはっきりしてくる。 「……うぅ」 今まで、重かった瞼が軽くなったように感じ、青年はそっと、目を開いた。 .
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