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目の前に居たのは少女だった。自分より、歳は少し下に見える。
「……君、は? 」
「―――ッ!? 」
かすれた声で問う。少女は声に気付いたのか、肩を揺らして驚くと、少し後ろに下がる。
「ご、ごごごめんなさいっ! 」
腰が抜けてしまったのか、腰を引きずるように細い腕で青年から距離をとる。
「わ、私! 人が…こ、こんなところに横になっていたなんて、知らなくてっ」
青年はそんな少女を見て、ゆっくりと起き上がると、少し笑う。
「……? 」
「……ごめん。そんなに必死に謝ってるから、なんだか可笑しくて」
そう言うと、また笑う。それにつられて少女も笑った。
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