Ⅰ記憶喪失の青年と深い森

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 二人で笑っていたら、いつの間にかかすれていた声も普通に出るようになってた。  森の中にある木々の中の、一つの木に二人は背中を預け、会話していた。 「私、この森から出れなくて……迷ってて」  少女が苦笑しながら困ったように言う。 「へぇ。この森って、そんなに広いのか……」 「あら、貴方も迷ってたんじゃなかったの? 」   .
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