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「……旅? 」
「私、兄を探す旅をしてるの。
ラグナ、貴方記憶が無いっていってたでしょ? どうせ行く宛ないなら私と旅して、その記憶を探してみない? 」
「……」
考えてみる。自分が一体、何者なのか。
なぜ、このような場所で倒れていたのか。
自分に、一体何があったのか。
たしかに、この先のことを考えてはいなかった。
記憶がないとそれだけで不安になる。頼るものが全くないのだ。
そう考えると、この少女に着いて様々な場所へ行ってみれば、記憶が戻るかもしれない。
しかも、改めて自分の周りや格好を見る。ズボンのポケットに手を入れて探ってみるが、なにもない。つまり一文なしだ。
少し、考えた後、ラグナは口を開いた。。
「うん。サリカ、君と一緒に旅することにするよ」
この深い深い森の中。
それが、僕らが初めて出会った場所。
二人の旅の始まり。
そして、この冒険記に書かれる最初の記録。
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