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今回の目的地は山奥にある廃墟。近郊では有名な心霊スポットらしい。
｢しかしなんでこんな山奥に建てたんかな。客なんか入らないだろうに｣
運転しながら蜂島さんがつぶやく。
｢たしかに。近くに観光地があるわけでもないし、国道とか大きな道からもだいぶ離れてますもんね｣
｢ここいら辺りじゃ温泉も湧かんだろ｣
オッサンらしい観点だ。私は少し笑う。
｢調べた限りじゃ企業の研修とかそういうお客さんで成り立ってたみたいです｣
｢なるほどな。新人君たちをカンヅメにして、社風を叩きこむにはもってこいってワケだ｣
｢その為に建てたワケじゃないでしょうけど…｣
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