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どうしてだろう
彼は、出会った
ころから言っていた。
"自分は嫌われている"
…何故だろう。
一見みると、とても良い子だし嫌われているようには見えない。
…とても綺麗な顔をしてるのに
「ねぇ」
「Σな、何っ?」
色々考えていたら、悠君が話しかけてきた。
「…お姉ちゃん、って呼んでも、いい?」
…なんだ。そんな事か
「うん!いいよ」
「ホント!?やったあ!」
ニコニコと、とても嬉しそうに笑う。
かぁわいいなぁ…
「よしっ、じゃあ髪も制服も乾いたし!そろそろ送るよ?」
「え…あ、うん」
あ…そんな一気にテンション落とさなくても…
なんだかすごく罪悪感が…
「あ…」
母様
こういう場合、私はどうしたら良いのでしょうか
「ね、お姉ちゃん。また、来ても良、い?」
「うん!」
「…ありがとう」
取り敢えず、少しはご機嫌がよくなったであろう悠君を出会った道の近くまで送った。
笑顔の彼を、笑顔で見送った。
これから先起こる事など、何も知らずに。
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