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そんな風に思っている時だった。
「ねぇ、私も混ぜてよ!」
あたしと正木君の話を遮って、葉子は不機嫌な様子でそう言った。
「あ、ごめん、葉子!
……それじゃあ、あたし先行ってるね」
あたしは笑顔で一言謝り、足早とその場を離れた。
……早く離れなきゃ。
内心、物凄く焦っていた。
葉子が妬いた。
これ以上あの場に居て、正木君と話していれば、葉子はあたしに対して嫌な感情を覚える可能性がある。
……そんなの嫌だ。
だからすぐに退いたんだ。
だって葉子とはこのまま仲の良い親友でいたい。
「またな!」
後ろから正木君が手を振って、微笑んでくれた。
正木君との距離は、しばらくはこのままの状態を保っておきたいと思う。
正木君との距離がこれ以上近づいたり、遠くなったりしないように……
しばらくの間は……
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