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「あ!
あそこだあそこッ
あの青色の看板のお店!」
三咲はそのお店を指差して、大きな声で言う。
─ん?あれは……
あたしは三咲が言う店よりも、ある人物の方に目が入った。
二つに結んだ髪を揺らしながら歩く後ろ姿。
─七乃……だよね?
なぜたか足元がふらついており、道行く人に肩をぶつけている。
俯いている彼女は、今にも倒れていてしまいそうだ。
─七乃?
心配になったあたしは七乃の元へ行くことにした。
「三咲、海美ちゃん、ごめん!
あたし用事思い出した」
と顔の前で手を合わせる。
そして三咲と海美ちゃんの返事も待たぬうちに、駆け出しだ。
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