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─あたしだって気が付ついて、目逸らしたよね?
ねぇ、どうして逃げるの?
「待って!」
あたしは七乃を追いかける。
自慢じゃないけれど、七乃よりあたしの方が足は速い。
……だから追い付けるはず!
「待ってってば!」
あたしは思いっ切り手を伸ばして、七乃の腕をぐいっと掴んで、七乃の動きを止めた。
あたしも七乃も息が上がっている。
「……七乃。
どうしたの?」
七乃は肩を上下させるだけで、何も話さない。
「ねぇ七乃、何があったの?」
あたしが七乃の顔をのぞき込むようにして見ると、七乃はパッと顔を上げた。
そして、七乃はあたしの胸に飛び込んできた。
……と思ったら泣き出した。
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