☆恋散る☆

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「調子乗ってんじゃねぇよ!」 「……ッ! ちょ、調子乗ってんのは伊崎の方やろ!」 一瞬、言葉に詰まってしまったあたし。 ……ほんの少しの恐怖を感じたんだ。 「な、七乃のことハッキリしいや! このままじゃ、七乃が可哀想やんか! 結局はあたしが何言ったって、最終的に決めるんは、あんたやねんから!」 改めて思う。 言葉使い汚ねぇ…… それにすっごい一方的だし…… 「お前何なん!? 俺とアイツの問題やんけ! ズバズバ首突っ込んでくんじゃねぇよ!」 ……それはそうだ。 ふたりの問題なんだから、あたしには関係ない。 だけど…… 「七乃のことが心配やねん! ……それくらい分かってやッ」 すると伊崎は何も言ってこなかった。 黙り込んでしまった。 と思っていると、伊崎が口を開いた。 「……だって…俺だって七乃が好きだから付き合ってた。 七乃が好きだったから一緒に居た…」 語り始める伊崎。 あたしは興奮を抑えながら、伊崎の話に耳を傾ける。 「でも、二ヶ月前くらいから、上手くいかないことがたくさんあって… 中学からやってるバスケなのに、中々上達しないし。 家族もここ最近仲悪くて崩壊寸前だし。 おかげで成績もがた落ちした。 経済的にもキツイこと多くてさ… とにかく、ずっと悩んでる。 そんな中でも、七乃は変わらず彼女で… デート中も考え事とかしてしまって、ぼーっとしてることが多かったと思う。 七乃は純粋で無邪気な奴だろ? いっつも笑顔な七乃に、腹が立ってしまった。 悩みなさそうでいいなって… こっちの立場になって見ろって…いつの間にか思うようになってた」 伊崎の口調は穏やかになっていた。 あたしの心も大分、和らいだ。
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