☆恋散る☆

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「そんで、鬱陶しいって思うようになってて、つい七乃の悪口言ってしまってた… アイツはただ純粋で素直な奴ってことくらいわかってんのに。 ……ハァ。 瀬川の言う通り俺、最低だな」 伊崎の声のトーンはすっかり落ちている。 あたしの気持ちも落ち着いた。 「……ごめん。 確かにあたし、七乃から聞いた話だったら、最低な奴だって思ってた。 だけど、今は違う。 そりゃ、七乃の悪口影で言ったのは伊崎が悪いよ。 でも今の話聞いてたら、言い過ぎたって思った、ちょっと。 ……だから。 関係ないのに首突っ込んで、伊崎の事情も知らないで酷いこと言って、ごめんなさい…」 「いや、謝らないで。 俺が悪いからさ。 何があっても彼女には、嫌な思いはさせないでおこうって決めてたのに… ありがとう、何か俺スッキリしたわ! 七乃に謝る!」 「うん」 あたしの中からすっかり怒りが消えた。 中学から同じバスケ部の仲間である伊崎は、やはり良い奴であった。 「なぁ、瀬川」 「うん?」 「お前良い奴やな!」 「はは、ありがとう。 伊崎もまあまあだよ!」 「まあまあかよ。 ま、取りあえずありがとな!」 「うん、じゃあね」 「おう、またな」 プチ ツーツー 良い方向に事が進んで良かった。 あたしも伊崎もスッキリできた。 きっと七乃も……。
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