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「茶菜ー!」
あたしが大きな欠伸をしていたところだった。
七乃が大声であたしを呼んだので驚いてしまい、おかげで欠伸が止まってしまった。
「もう!
欠伸止まったじゃんかぁ」
「そんなの知らないよ!
それより聞いて!
昨日龍太がね、家まで謝りに来たんだッ」
─アイツ偉いじゃん!
少し嬉しくなった。
「"七乃の悪口、影で言ってごめんなさい"って、わざわざ言いにきてくれた。
それでね、"あんなこと言った限り俺は七乃の彼氏失格だから、別れて欲しい"って。
あたしはね、謝りに来てくれたことが嬉しかったし、やっぱり龍太のことは好きだから、別れるつもりはなかったけど、龍太がすっごく真剣だったから、別れることにした。
男のケジメってやつ?」
七乃は落ち込んでいないようなので良かった。
むしろスッキリした!って感じだ。
「あ、あとね。
"やっぱ瀬川って良い奴やでな!"って言ってたよ?
龍太に何かしたの?
あ、電話で何話したのー?」
「……さ、さぁ?」
あたしは曖昧に返事をして、誤魔化した。
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