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──三度目はない。
そう、俺から別れを切り出したのはこれで二度目だった。
一度目は二度目と同じような理由で、俺は“アイツ”を振り…“アイツ”がそれはあまりにも理不尽だと言うので、一度は白紙になった。
そして二度目。
“アイツ”はもういいと言いたげな顔で、別れを受け入れ俺の元から去って行った。
今となっては、別れた理由が俺のどうしようもない思い違いだったということは、ミケの鉄拳による愛のムチ(?)と一時間に渡る説教(?)で気付くのだが、それはもう『時既に遅し』というやつで今さらどうにも出来ず、俺はそれが間違っていたのなら自分で正しかったと思えるような結果を出せばいいんだと思い直し、仕事に励んだ。
現在もそれは継続中で、ミケをライバルに日々良い仕事が出来るよう心がけている。
いつか昇進出来るように…満足いくような仕事ができ、それが周りに認められるように──…。
まぁ当然ながら、こんな気合いを入れて仕事に励んでいれば、時にマイナスな部分が顔を覗かせる。
「端山、お前こんなに仕入れたら我が社はとてつもない損害を出すのは目に見えているぞ。お前はそれが分かっていて、この書類を俺のところに持ってきたのか?」
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