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「落ち着け。お前、焦りすぎ。なにを、そんなに焦ってんの?馬鹿みてぇーにさ」
ニンマリ笑ってそう言うミケは、再び煙草を吹かし始める。
焦って当然だろう。
今の現状で、落ち着いて仕事をこなしていける方が、俺はどうかと思う。
ミケは逸らしていた視線を、俺に戻し少し真剣な顔付きになる。
「空回りしてんじゃん。さっきのことだってさ、落ち着いて探せば見つかってたよ。だって、オレはお前の書類は触ってねぇし、数分前に見かけたし」
数分前に…見かけた…?
まさか──…
「お前一人が仕事でトチるのは勝手だけど、その影響で周りに迷惑かけんのだけはやめろ」
ミケの眼差しに、俺は自分が今してきたことが、子どもじみたことであると再認識させられた。
「…ゴメン」
小さな声で、自分のしてきた行為と今の状態を含めて、詫びの言葉を呟く。
この後、書類は見つかりミケに腹にまた軽い鉄拳を喰らわされた。
そんな過去のことを思い出していると、肩をポンポンと叩かれる。
フッとそっちを振り向くと、頬にプスッと相手の指が刺さる。
「ひっかかった~♪単純~♪」
俺の肩を叩いたのは隣りの席のミケで、少しムスッとする俺とは反対に、ミケは馬鹿にするような笑みを浮かべている。
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