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ゴオオオオオオォォォ…
黒い穴。
何もない空気中を縦に切り裂き、その切り込みがどんどん大くなっている。
周りのものをゆっくりと吸い込んでいるようだ。
サクラ「な、何?ねぇ!?」
恐怖感で不安になり、カレンにしがみつくサクラ。
カレン「…う、うん…」
サクラの問い掛けに、状況が理解できていないカレンは、何を言っていいかわからなかった。
カケル「お、おい、アキラ!大丈夫か?」
ふと気づいたようにアキラに歩み寄る。
アキラは相変わらず地面にうずくまっている。
カケルはアキラに肩を貸し、木に背を掛けさせた。
アキラ「…声が…」
アキラは、枯れるような声で言う。
カケル「え?」
アキラ「声が聞こえる…あの穴から…」
四人は、改めて黒い穴を見た。
ゴォォォォオオオオオオオオ……
さらに大きく空間を裂きながら、周りの空気を飲み込む。
そのとき、穴の奥に光が見えた。
カケル「なんだ!?」
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