3-穴-

7/8

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
 ゴオオオオオオォォォ… 黒い穴。 何もない空気中を縦に切り裂き、その切り込みがどんどん大くなっている。 周りのものをゆっくりと吸い込んでいるようだ。 サクラ「な、何?ねぇ!?」 恐怖感で不安になり、カレンにしがみつくサクラ。 カレン「…う、うん…」 サクラの問い掛けに、状況が理解できていないカレンは、何を言っていいかわからなかった。 カケル「お、おい、アキラ!大丈夫か?」 ふと気づいたようにアキラに歩み寄る。 アキラは相変わらず地面にうずくまっている。 カケルはアキラに肩を貸し、木に背を掛けさせた。 アキラ「…声が…」 アキラは、枯れるような声で言う。 カケル「え?」 アキラ「声が聞こえる…あの穴から…」 四人は、改めて黒い穴を見た。  ゴォォォォオオオオオオオオ…… さらに大きく空間を裂きながら、周りの空気を飲み込む。 そのとき、穴の奥に光が見えた。 カケル「なんだ!?」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加