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「『ドキッ☆男だらけの古河パン!女装もあるよ』です」
「みおちん全開ですな…」
葉留佳が溜め息をつく。
「私も…パンなんて焼いた事はないのです」
みんなの頭ひとつ分下から言葉を発したのは日本人離れした容姿をした能美クドリャフカである。
「ホットケーキとは作り方が違うのか?」
猫を頭に乗せた少女が真顔で聞く。棗恭介の妹で、リトルバスターズの古株の一人・棗鈴だ。
「ホットケーキとパンとは別だよ、鈴ちゃん」
「なにぃ!う~ん…くちゃくちゃ難しそうだ」
小毬が優しく教えてやる。
「でもよ~店番なんて筋肉使わねぇ仕事、俺には無理だって…上半身裸でエプロンして店の前でポーズ決めてるってんなら大歓迎だけどよぉ~」
「キショいこというな!!」
ガスッ!!
「ぐぉ…」
真人の天然な発言に鈴のハイキックがすかさず決まった。
「ちょっと待ってよみんな!」
と、いつの間にかいつもどおりのあほあほトークモードに移行しかけていた面々を理樹が制止する。
「なんでもうやる事が決定事項になってるのさ」
「ふむ、理樹君はいつもながら往生際が悪いな」
来ヶ谷がおかしそうに笑む。
「心配しないでください。何も直江さんだけを女装させる為だけに『女装もあるよ』とつけたわけではありませんから」
美魚も未だ流れ出す本心をティッシュで拭き取りながら自分の案の核心のひとつをばらす。
「そういうことを言いたいんじゃ…って、えー!!!!」
「美魚君、興奮し過ぎてつめが甘くなっているぞ…それは当日のお楽しみだろう!!」
「隠す気のない大声のヒソヒソ話っ!!」
最早理樹は壊れる寸前だ。
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