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イヴの町を後にしてから数日。レイス達はひたすら広がる荒野をただ歩き続けていた。そして遂に三人の視線の先に、大きな森が見えてくる。
「あの森が?」
「えぇ。竜族の里よ」
レイスの問いにすかさず答えるリーシャ。
「さて、どうなる事やら」
そんな中、ゼムルはいつも通りの雰囲気で静かに口を開いた。そして三人は遂に森の入り口らしき場所へとたどり着く。
「勝手に入って大丈夫なのか?」
「さあ……。でもここで立ち止まってても仕方ないし行きましょ」
リーシャの言葉に二人は頷き、森へと足を踏み入れる。
そこは緑に満ち溢れとても美しい森であった。魔物の気配などは一切せず、小鳥のさえずりや虫の鳴き声が静かに響きわたる。
葉は風に揺られ、太陽の光は辺りを照らし、そこはとても落ち着く空間だった。
「美しい森だね、心が自然と癒される気がするよ」
「私も子供の頃は、この森でよく遊んでいたわ。危険な生物もいないしね」
リーシャの昔話しを聞きながら森の中を進んで行く三人。しかしそんな三人の前に一人の青年が立ちはだかった。
「お前達、何者だ!!」
その青年は、大きな槍を構えレイス達に言い放った。仕方なく立ち止まる三人、だがリーシャはそんな青年を不思議そうに見つめそして尋ねた。
「あなた……。もしかしてガーク?」
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