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「ただいまー」
重い扉がガチャリと開く。
アイバーを迎えてくれたのは廊下の付けっぱなしの電気だった。
妻はもう寝ているだろうか…?
もし起きているならリビングの電気はついているはずだ。
彼は頭をあげて、リビングのドアを見る。
ドアのガラスからぼんやりと灯りがあるのが見えた。
妻が起きているのは珍しいなと思いながら少し安堵感が生まれた。
妻が俺の為に起きててくれるなんて好ましいじゃないか…。
もう一度、リビングにまで聞こえる様にただいまと言う。
しかし返事は返って来ない。
何だ……電気の消し忘れか…。
彼はダルそうにリビングへ向かう。
「はぁぁぁぁ…」
重い重いため息をついた。
妻への残念感か、それとも仕事への緊張感か…。
分かる事は重い重いため息。
ガチャリ…
リビングのドアが開かれた。
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