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「な………何でも無い!
それより聞いてくれよ!
明日、仕事で…」
妻の顔がピクリと引きつったような気がした。
気のせいだろうか?
「それで……何?」
デビルは台所でコーヒーを入れながら言う。
「ぁ………あぁ……えっと……ところでデビルは何でこんな遅くまで起きてるんだ?」
アイバーはスルスルとスーツの上着を脱ぎながら言った。
「……何でだと思う?」
コポコポと牛乳を入れる音がした。
そして、入れ終わったのか牛乳を冷蔵庫に入れる為にデビルは冷蔵庫のドアをあける。
「ん?
んー…もうしかしておねだりとか?」
笑いながらアイバーは答えた。
この答えは多分ハズれているだろう。
実のところ妻はアイバーに何か欲しい物をねだる事は無かった。
結婚指輪、それだけで良いと言っていた彼女の言葉は果たして本当だろうか?
軽くネクタイを引っ張れば、しゅるるっという音を出しながらネクタイが滑りおちる。
シャツとネクタイがすべりあって出てきた音だ。
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