2次元

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アイバーの笑顔が一瞬にして消えた。 笑顔の変わりに冗談だろ?という様な顔をしている。 「別れましょ… あたし達…」 「な……んで?」 アイバーのやっと出た言葉は少し震えていた。 妻はキュッと唇を噛み、アイバーから顔をそらす。 「分かんないの? 冗談でしょ?」 妻は瞳を閉じて、ため息をついた。 そして再び瞳を開け、言葉を発す。 「私は… 暖かい家族が欲しかった…」 しばらく沈黙が続いた。 沈黙が続いている間、心臓の音と息をする音が交互に聞こえる。 「私はね… 暖かい家族が欲しかったのよ… 子供と父親と母親がいる暖かい………ね」 「何が…不満なんだ? こ……子供か!? だったら今からでも……」 「もぅ遅いのッ!!」 妻は立ち上がり大声を出す。 それにビックリしたのかアイバーは口をつぐんだ。 「私は…私は…!! 暖かい家族が欲しいのよ! こんな冷たい家族じゃない! いつも家に1人ぼっちの家族じゃ……」 妻の顔は赤らみ目からは涙が溢れてきた。 そしてその場に座り込み、目をおさえながらおえつをもらす。
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