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まだ頭を下げていた彼女の体は小さく震えていた。
今すぐにでも抱きしめてやりてぇよ。
でも出来ない…。
体が動かない。
こんな時になにやってんだ俺の体は。
彼女の震えが少しやむとゆっくりと彼女は顔をあげた。
「アイ……バー……?」
顔をあげた彼女の目は涙で溢れている。
ポロポロと落ちる事をやまない涙は目のどの部分から流れてくるのだろうか?
愛しい人を泣かす俺は最低な人間です。
その瞬間、アイバーの体が本能的にうごいた。
気がついた時には妻の体を力強く、強く、とても強く、抱きしめている。
鼻の先には妻の綺麗な髪が鼻息で少し揺れていた。
「愛してる……
愛してるんだ!!
考え直してくれ!」
この言葉は自分がいった言葉かはわからない。
ただ、自分で言おうとした事を考えていない。
つまり、状態反射並みに自分がしている事が分からないのだ。
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