2次元

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「いやッ!!離してッ!!」 悲鳴に似たデビルの泣き声が響き、アイバーは正気に戻った。 黙ったまま腕の力を弱めていく。 そして全て力を抜いた手はプランと体の横に戻ってきた。 「もぅ…無理なのよ……」 妻がそう呟くと、手でアイバーの体を押しゆっくりと体を離した。 すくりと立ち上がった妻は左手の薬指に目を向ける。 そして、シルバーの指輪をはずすと机の上においた。 「実家に帰らせてもらいます… 離婚届は送るから…」 「ぁ……」 妻のアイバーの返事を聞く事も無くトタトタと、リビングから出て行く。 追いかけろ…。   ドゥヤッテ? まだ間に合うだろう?   ナニヲ? このままで良いのか?   イイワケナイ だったら追いかけろ   オイカケテカワルシンジツナノカ? …──ガチャリ 重い扉が閉まる音が響いた。 これは妻が行ってしまった事を意味する。 妻と自分の間には大きな門があって、それが永久に開かない様な音だった。 そうだ…。 彼女と自分の間には大きな門が出来てしまった。 俺は気付くべきだったんだ…。 でも、もぅ遅かった…。 閉まってしまった門に気付いても、もぅ遅い。 二度と開く事は無い。
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