次元という世界

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「………終わったんだな」 1人の男は荒れ果てた世界に一人っきりで立っている。 いや、数日前までは荒れ果ててなどいなかった。 ただやるべき事をやった際、結末がこうなっただけだ。 男は二の腕の傷も気にせずゆっくりとその場にしゃがみこむ。 傷口から血がポタポタと落ちたのが分かった。 そして、誰かに言う様に言葉を発する。 「これで俺はお前みたいに1人になっちゃったなぁ… ………良いよ笑っても」 そう言うと男はポケットに入っているあるモノを出した。 それは鋭い鋭いナイフ。 クスリと微笑む男の顔がナイフの刃の部分に写っている。 そして男はためらいもなくナイフを首に押し当ててスライドさせた。
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