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「ねーきくー?」
そう、執事を呼ぶ少女は大きな窓の前の椅子に座っていた。
少女の顔は整った顔つきでデビルと同じくらい綺麗な顔つき。
それが窓から入ってきた月明かりでもっと綺麗に見えるのは何故だろうか?
しかし少女が着ていた服は暗闇にとけるような真っ暗な色。
その黒い服が何処かから、暗いイメージが漂っている。
その後ろでほう木で部屋をはいている執事は手を止め、だまったまま少女に顔を向ける。
電球を外しているのか部屋の電気は消して、机の上のろうそくに火が灯っていた。
「どうしても明日、アイバーって男が来るの?」
少女はつまならそうに口を尖らせ、窓の外を見つめながら答えない菊に言う。
「もうしかして嫌?」
菊は掃除している手を再び動かし始める。
「嫌………じゃないけど…」
「けど?」
「人の家に知らない人が入ってくるなんて嫌…」
菊はピタリと手を止めた。
そして、手に持っている物をその場に置くと、部屋のすみのイスに腰掛けている少女に近づく。
しかし少女は窓の外を見つめたままで、気がついていない。
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