3人が本棚に入れています
本棚に追加
事務所に声が響いているが数人の従業員は帰った為、変に思う者は誰もいない。
「やっと俺にも運が回ってきた…
あの頃の俺とは……違うんだ」
クククと笑う彼は何かを考えている様な顔だった。
何か、何か、悪巧みでもする様な不敵な笑み。
20年間生きてきた彼はこれからという人生を全部仕事に捧げて来た。
4年間もだ。
中学の時に父親を亡くした彼は中学卒業後、父親の不動産屋を受け継いだ。
父親も始めたばかりで企業にはのらずこれからという時に、小さな会社をたちあげたまま交通事故で逝ってしまった。
しかし、親戚の間ではサラリーマンだった父は不景気だった会社をクビになり、小さな会社を立ち上げた。
しかし企業にはのらず、何もかも嫌になった父はワザと車にはねられた。
こういう噂があったが、本当だったかは分からない。
最初のコメントを投稿しよう!