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空港に降り立つと、平日なこともあり人は疎らでどちらかというと静かだった。
時計を見ると午後4時半を少し過ぎていた。
実家の両親は二人とも働いているので、直接空港まで迎えには来られない。
ただタクシーで帰ると片道5000円以上かかるので、最寄の駅まで迎えに来てもらうよう飛行機に乗る前に母にメールしておいた。
空港を出ようとドアが開いた瞬間、冷蔵庫の中のようなひんやりと冷たい空気にさらされる。
「寒っ…」
コートの襟で顔を寒さから庇いながら、タクシー乗り場へと向かう。
数珠繋ぎのように並んだタクシーを見て、結局どこも同じ景色に淘汰されていくんだな…と感じた。
私は一番前にいたタクシーに鞄ごと乗り込んだ。
「どちらまで」
「帯広駅まで、お願いします」
「かしこまりました」
運転手がゆっくりと車を出した。
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