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心配そうに見つめる棘に、苦笑いしながらも首を軽く左右に振り
『ううん、なんでもないよ』
『なら…ええんやけど…
何かあったら言ってぇなぁ?』
『ありがと…』
少し嬉しかったりした
ここ数年、誰にも心配されたりしなかった気がするから
『ほな、ぼちぼち行こうか』
『そうだね』
そして、教室へ向かう
恐る恐る…
本当は少し恐い
例えあんなことがないとわかっていても…
体が無意識に反応してしまう
不幸中の幸か
棘の後ろの席だった
『はぁ…』
『挧月ちゃん…顔色悪いでぇ?』
少し体が怠い
体がやっぱり反応しているのだろう
その瞳は潤んでいるようにも棘には見えた
『保健室に行ったほうがええんちゃう?』
『大丈夫だからっ…』
段々視界が暗くなっていく…
棘の声が遠くなっていく…
『挧月ちゃん!!?
挧月っ!!!!』
体が浮くような感じに身を委ねた
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