36人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
何処だか解らない,何故だか解らない。
此処は何処で,何故が解らないのだろう。
初めて此処に来たとき,思ったのは「おじさま達は何処に行ったか」だった。
前のおじさまの所から移る時に素敵なお洋服を着せてもらった。
そのお洋服は真っ赤になってて“汚い”らしいから捨てられた。
「本当に勿体ないね姉様。」
「本当に勿体ないわ兄様。良い薫りだったろうに」
白い壁の小部屋に小さな窓。外には冷めざめとした青い空に千切れた雲。
小部屋にはダブルベットに小さなクローゼットが1つだけ。
そっくりな双子の兄姉だけが向かい会ってお話中。
銀色の髪は限りなく白に近く,それらが映えるようにか喪服の様な漆黒に身を包んでいる。
「そろそろ行こうか姉様。お腹空いちゃった」
「ええ兄様。忘れ物をしないでね」
「ええ姉様。」
最初のコメントを投稿しよう!