“Ａ”is“Ｄ”

When was she ？

軽いノックの音がする。

『お父様』
「お父様は今もいないのよ」
屋敷についた金と銀は,早々と車から降りお父様の居るべき部屋の扉に立って声をかけていた。その後に子供がいる。
『白雪姫…お父様はまだいないの？』
金はお父様の不在を知らせた少女を 白雪姫 と呼んだ。
「もういないのよ。連絡を取るの？」
白雪姫は金の隣に立って見上げながら聞く。
白雪姫は金と銀に比べると頭ひとつ分小さい
『うん。これを…』
「解ったわ。白雪姫にまかせて」
先程の報告書を白雪姫に手渡す。
白雪姫はぺらぺら と捲っていく。
「５７人なのね。計画では５０人の予定だったのにぃ」
白雪姫は雪のように白い頬を膨らませ,可愛らしくむくれた。
「るーる違反はめっなのよ」
雪のように白い肌、血のように赤い唇、そして黒真珠のような黒い髪。
愛らしいその姿はお父様の伝達係に任命されたのだった。
『ま,計画通りにはいかないもんさ』
『銀の言う通りだね。』
「むぅ～言い訳もめっなの！」
見た目そのものの口調。
とても可愛い少女は金と銀の後に隠れながらも幼い白雪姫に頬を染めながらみている子供に気付いた。
「どうして隠れてるの？かくれんぼなの？」
にっこり笑う白雪姫にさらに子供は紅潮する。
それを見た金と銀はそそくさと去っていく
『じゃ,後はよろしく白雪姫。』
『よろしく』
「まかせて,なの」
ぶらぶら手を振る白雪姫に子供は話し掛けた。