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「そうだった……」
習慣とは恐ろしい。
今日が行きたくない日だとしても、つい足が向いてしまう。
「あんたがいる日だったよ……」
会いたくない相手とはつまり、今目の前にいる少女だ。
初めて会ったあの日から、彼女は屋上に居座るようになった。
冗談じゃないと思った。
やっと一人の時間を大事にできる場所を見つけたのに、今さら他人にその空間を壊されるなんて。
(帰ろ……)
彼女がいると確認した際、俺はすぐに引き返すことにしている。
関わるつもりは、最初からない。
その姿も、声も、俺には煩わしいだけだから。
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