12917人が本棚に入れています
本棚に追加
/719ページ
「大きくなったな……レクサス」
アルガロスは哀愁の込もった瞳をレクサスに向ける。
「……がぐぅぅ」
レクサスはジェノに力を込めるがピクリとも動かない。
剣帝アルガロスはそんな息子を見て失笑する。
「タナトスに呑まれたか……。確かにお前の歳じゃ仕方ないか……。
今回は助けてやるが……、次からは自分で何とかしろ」
アルガロスの声が聞こえたのかそうでないのか、レクサスは後ろへ飛び退いて四人のレクサスが現れた。
「高速幻影移動術ファントム……。
お前の限界は四人か?」
アルガロスはそう言うと同時に10人、彼と同じ姿が現れた。
「……!?」
10人のアルガロスは4人のレクサスを円形に囲む。
「「「さぁ、どうする?」」」
アルガロス全員が一斉に喋り、重なって独特な感じする声が不快感を与える。
しかし、レクサスは今の状況にもニヤける。
レクサスは地面にジェノを突き立てた。
「インフェルノォォォォオ!!!!」
巨大な火柱がレクサスの周りで火山のように何本も噴き出す。
その攻撃にアルガロスの幻影は消し去られ、10人すべてが炎に呑まれた。
夕焼けのもと、闘技場の中は炎と夕日とで朱一色に染まる。
最初のコメントを投稿しよう!