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「これが奥の手か?」
朱の炎が徐々に蒼に塗り替えられていく。
天に向かう火柱は勢いは止まることを知らないが……。
その色は蒼になった。
日も沈み、先程まで夕焼けに染まっていた空は群青色に。
蒼い炎と重なって更に蒼く蒼く……。
「お前の炎はぬるいな」
火柱の一本が縦に一刀両断され、そこから無傷のアルガロスが出てきた。
「いつまでそうしているつもりだ?
仲間を傷付け、理性を失い……。
さっさと反省してあの可愛い娘達に謝りなさい」
アルガロスは剣を天に向かって真っ直ぐに掲げる。
「今から出す技はな、帝王なら誰でもできる。自分が帝王だという力を誇示する為の自分のロードによる一撃。オレの場合は剣を使う者を沈める為のオレの剣による斬撃だ。
……見せてやるよ、力の差をな」
それを聞いたレクサスは顔を妖しく歪めて上唇を舐める。
そしてアルガロスに向かい高速で走り出した。
「ガァアァァア!!」
アルガロスは楽に握っていた柄を、握りしめる。
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