交差する最狂と最強

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それを見たアルガロスも口角を上に上げる。 そしてレクサスとの距離はまだあるというのに、天にかがげる剣を振り下ろした。 「エンペラード……!!」 アルガロスのタナトスが地に着いた瞬間。 直線上に凄まじい爆発の応酬が起こった。 その爆発は半球上に地面に這う形で進み、中にはエネルギーが渦巻いている。 それが何発も起こり、アルガロスの剣を振った直線上はエネルギーにより覆いつくされ、レクサスの姿は完璧に隠れた。 「それともう一つ……」 爆発により、その闘技場内だけが明るく照らされた中で、爆発のエネルギーに呑まれているであろうレクサスに向かい言葉をつむぐ。 「このエンペラードによる一撃に耐えきれた奴だけが……。 帝王に戦闘を申し込む権利を貰えるんだよ」 爆発が止み、辺りは再び群青と静寂の世界に包まれ、一人の少年がうつ伏せに倒れていた。 その隣では折れたタナトスが黒い霧を巻き上げ消えた。 その静寂の世界に凛として声が響き渡る。 「お前はまだまだ弱いんだ……、レクサス」 .
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