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足音がどんどん近付いてくると、銀髪がキラキラとなびくのが見えた。
「……レクサス?」
ひょこっと仕切りのカーテン越しに顔を出したのはフィアリア。
何やらソワソワした様子で、目線をあちこちさせながらレクサスの様子を見ている。
「何してんだ?早く来いよ。
聞きたいことがあるのさ」
レクサスがニコッと笑いちょいちょいと手招きすると、一瞬ビクッと震えて涙目になって突っ込んできた。
「レクサスぅ!」
「ぐぁ!?」
フィアリアは見事にレクサスの胸にダイブしたが、全力だったので抱きつかれた本人は悶絶している。
「おいおいおい……。こんなラブコメ的お約束タックルは主人公のことが大好きな人がするんだぞ?」
「ひぅッ!?」
それを聞いたフィアリアは、顔を真っ赤にはさせるのだが離れようとはしない。
(まぁ、いつもなら可愛いと思うんだけどぉ……)
「このベトベト感はどうしてくれる?」
「す、すまん」
フィアリアはダイブする際に、お見舞い用のフルーツをもったままだった。
結果、レクサスの胸には無惨な姿になった果実やら果汁が付着していた。
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