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「やっぱりその時のことは覚えていないんだな……」
フィアリアは目を閉じながら次の言葉をつむいだ。
「あぁ……。悪魔に殺されそうになったところまでしか覚えてない」
レクサスは静かに答えた。
「その悪魔を殺したのは君だ……。
そして……これは本当は言いたくないんだが……」
フィアリアは閉じていた目をゆっくりと開くと、真っ直ぐにレクサスを見つめた。
その瞳には複雑な感情が込もっているようで、直視できず目を逸らす。
何となくだが窓の外の青い空に目をやった。
「話してくれ」
「……君はクロス先輩とバルエルにも襲いかかり怪我を負わせ、剣帝がそれを止めたんだ……」
レクサスは窓の外から視線を外さない。
しばらくは無言でそのままだったが、ようやく口を開いた。
「どういうことだ?」
フィアリアも顔を伏せ、弱々しく話だす。
「私があのあとの事と剣帝から聞いた話を話そう」
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