12917人が本棚に入れています
本棚に追加
「っとと、話がそれたな。レクサスの身に何があったか……。
その原因はタナトスにあるな」
「タナトスに?」
先程までの態度を改め、真面目な顔になったアルガロスからは静かにプレッシャーさえ感じられる。
「あぁ、そうだ。タナトスという言葉を訳すとな、“死の本能”というんだ」
“死の本能”――
何となく嫌な言葉だが、フィアリアとサテラには、何故これがレクサスの暴走に繋がるのか理解できない。
「つまり、だ。タナトスがレクサスの死の危険を感知し、自己防衛として無意識のうちにジェノが発動したんだ」
「自分の命を守る為に本能的に暴走……ですか?」
アルガロスは落ち着いた様子で頷くと、レクサスを親指で指す。
「話もいいんだが、アイツを治療しなくていいのか?」
「「あ!!」」
フィアリアとサテラは同時に声をあげ、レクサスに駆け寄り治療を始めた。
その間にもアルガロスの話は続く。
最初のコメントを投稿しよう!