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「そういうわけで、君は救護班に保護され、他のみんなも保護されたというわけだな!」
フィアリアはわざと明るい声を出す。
それというのも剣帝の言葉が頭から離れなかったからだ。
――ソイツはオレを……殺したいほど憎んでいるだろうからな――
それを知った今、どうしても暗い空気にはしたくなかった。
暗くなったらレクサスの闇を直接見てしまいそうな気がしたから。
「バルエルとクロス先輩は?無事か?」
レクサスは組んだ腕に頭を乗せる形でうつ向いている。
声色に覇気はなく、すき間風が抜けて行くような声だった。
「あぁ、あの二人なら無事……とまではいかないが、命に別状はないそうだ」
「そうか……、良かった」
レクサスの声に元気がほんの少しだけ戻る。
その様子を見てフィアリアも少し安心した。
「あと、話に出てきたジェノってなんだ?
詳しく聞いてないか?」
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