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ジッと目を閉じるレクサス。
そこにフィアリアが口を開く。
「レクサス……。私は気にしてないぞ?
確かに君に剣を向けられた時……、怖いというか哀しかった。
でも……、それは無意識の内にやったことだし……。
それより君が私から離れていきそうで……。それが一番私は怖い」
気付けばフィアリアはレクサスの腰に手を回し、抱き着いていた。
「フィアリア……」
レクサスは閉じていた目をゆっくりと開け、少し驚いたが優しく抱き締め返した。
(フィアリア……、オレは……)
フィアリアは顔をレクサスの胸に埋めたままだが、服越しに伝わる冷たい感触。
どうやら泣いているようだった。
「まったく……、泣き虫だな」
「まったく……、おさかんだね…レク」
「ほんと、ほんと。アハハハ!」
部屋にレクサスの笑い声が響く。
流れる穏やかな時間。レクサスはこの幸せを崩したくない。
護りたい。静かに決意を固め一歩前に踏み出す勇気を掴む……。
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