嵐は去って……

15/17
前へ
/719ページ
次へ
「ちょい待てぃ。あれ?今日二度目だよコレ……。 なんで君がここにいるのかな?」 「レクの…お見舞いに…決まってる…」 レクサスはいつの間にか隣にいた女の子のワキに手を入れ、持ち上げる。 持ち上げられた女の子、サテラは足をプラプラさせてむしろ楽しんでるようだ。 「お見舞い……? うん、そうだな。テラは悪くない。 お見舞いか、ありがとな」 「うん」 そうして、サテラをゆっくりと下ろしてやって、フィアリアに目を移す。 先程まで抱き着いていたフィアリアは、頭から煙をあげ、顔を真っ赤にして目を回しながら倒れていた。 「見た……?」 「ばっちこい……」 サテラはグーサインを作り、レクサスに突き出す。 そしてレクサスの顔も赤くなり、そっぽを向いて溜め息。 「誰にも言わないでね?」 「言う必要……、ないと思う」 「へ?」 その時、ビリビリと何やら布が破ける音と共に、大きな塊がなだれこんできた。
/719ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12917人が本棚に入れています
本棚に追加