嵐は去って……

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「…………」 流れる無言の時間。 無言の空間とは不思議なもので、居心地の良い穏やかな空間と、居心地の悪い気まずい空間の二択である。 今は十中八九、後者のほうだ。 「何をしているのかなぁ?」 「……てへッ」 雪崩れ込んで来たのは、サラ、バルエル、クロス、レオの四人。 ニコニコ笑顔のレクサスの手には、マイティアが握られている。 「「「お見舞い!」」」 先程のサテラとのやり取りを見ていたのだろう。 三人は口を揃えてそう言った。 しかし、残り一人は……。 「レクサス。君にはサテラという者がありながら、他の女にデレデレするとは何事だ? いやまぁ、もちろんサテラを嫁に出す気などさらさらないが……」 「黙れ……馬鹿兄……」 「ぐふぅ」 クロスはサテラに腹を殴られ、プルプル震えてうずくまっている。 「あーあー、雰囲気ぶち壊しだよコノヤロー」 レクサスは冷めた目で、お呼びでなかった侵入者達を睨みつけた。 だが、本気で怒ってるわけじゃなく、内心、みんなが来てくれた事は嬉しかった。
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