魔獣 VS 二人の赤の剣士

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「奴は巨大化するタイプなのか?」 「そうみたいね。シンプルだけど、身体能力の上昇率は半端じゃなかったわ」 レクサスと女は隣に並び、互いに剣を構える。 「魔獣化……、理性の決壊による身体のリミッターの解除。 魔物とは異なり、生きとし生けるもの全てこうなる可能性のある現象……か」 (大殺戮剣ジェノも魔獣化の一種なのかもな……) レクサスは目を伏せ、閉じる。 雑念を払拭し、集中するためだ。 ここで、魔獣化について軽く説明しておこう。 人は脳や筋肉の力を全体の一部しか使えないと聞いたことはないだろうか。 火事場の馬鹿力などは、普段は意識して使えない部分の筋肉の力が働くのだ。 魔獣化とは、理性の崩壊に伴いそのリミッターが外れ、身体の限界を超えた力を手にする。 これが一般的な魔獣化だが、稀に特殊な魔獣化をするものもいるらしい。しかし、ここでは触れないでおこう。 目の前の怪物は筋肉の限界を越え、突然変異したという訳だ。
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