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『しかし、相手は強大。まずは準備が必要です。
その為にこちらも他国と同盟を結ぶ必要があります――』
――――。
レクサスは自室の窓から空を眺めている。
昨日の召集により、世界が動乱の時期へと入ることが告げられた。
しかし、自分達の生きる世界なのに実感がわかないのも事実。
それでも。
現実は着々と歩を進める。
昨夜、国民全員にも戦争が起ころうとしていることが伝えられた。
さらに、学院の生徒も表だった戦場へは赴かないにしろ、対敵国学生には十分な戦力として戦うことになる。
そして今日、レクサスはフィアリア、サテラ、クロスに後に合流するシャオと共に、高き誇りを掲げる国――ヤマトノクニ――へ行かなければならない。
武王と同盟を結ぶ為の使節の役目を貰ったわけだ。
「はぁ……」
レクサスの顔は優れない。活気はまったく感じられずため息ばかり。
というのも、コチラが力をつけるのをガルナディアが黙っているわけない。
必ず刺客やらなにやらが来るはずだ。
レクサスはそれ故に悩む。彼は曇ってしまった重厚感のある空を再度見上げ、その重さに潰されるようにソファーに倒れこんだ。
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