久しぶりの学院行事

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「マグレム!ヤバいぞ!敵のリーダーのクロス自らここに向かってる! それにクロスだけじゃない!ギルデノンの主力メンバーが一気にここに攻めて来てる!」 「……なるほど。ヴァルキュラ。 お前の言った通りだな」 マグレムは冷静なまま、拡声器を口に近付けた。 「全員戦闘体勢!総力戦だ!」 辺り一面に響く自分達のリーダーの声に、雑談をしていた生徒は慌てて配置につき直した。 「はぁ……、ヴァルキュラ。 お前はどうする?」 「私には誰かしら割り当てられてるでしょう。その人達以外には手は出しません」 「そうか……」 マグレムは無表情で返す。対するヴァルキュラも無表情。 「俺は……、クロスとやるか」 そう呟きマグレムはテントから出て行った。 ヴァルキュラは一人残された無音の空間で座ったまま。 彼女は待っている。 自分と同じ運命を背負った少年を。 出逢うべくして出逢った少女を。 「私は……篝火(カガリビ)。 世界を照らすのは……私達。 あなた達はまだ気付きもしないでしょうけど……、いずれ世界が私達を必要とする」 そう呟いた少女は、少しだけ微笑んでいた。
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