聖女 ジャンヌダルク

2/26
12917人が本棚に入れています
本棚に追加
/719ページ
「なぜお前達までいるんだ!レクサス!」 「仕方ないじゃんかよー、情報部が炎帝は敵本部にいるって言ったんだからよ」 レクサス達とクロス達はそれぞれの小道を抜けた場所、ちょっとした苔むした広場でばったりと遭遇した。 そうして、こうやって一緒に敵本部に向かっているというわけだ。 「ちっ、仕方ない。策も何もないが……、こうなったら総力戦だ!」 「「「おぉー!!!!」」」 クロスの後ろに続く全戦力が雄叫びをあげる。皆、覇気が溢れている。 「もとから総力戦のつもりだったんじゃねぇかよ」 レクサスがげんなりとして再び前を向く。 遺跡を抜けた。 広がるのは広大な平原。奥にはボエルナ火山が見え、壮観な景色だが……。 「待っていたぞ。ギルデノン諸君」 マグレムを筆頭にあちらも全戦力が集結し、こちらを待ち構えていた。その数に思わず狼狽える者もいるが、数の上で差はなさそうだ。 「サテラ……、兄ちゃんはあのメガネとやんなきゃなんない。 ほかの部隊は任せたぞ」 「んっ」 真剣な顔つきのクロスは一度サテラの頭を撫でると、マグレムに突っ込む。 サテラは拡声魔法を発動し、いつもよりいくらかしっかりとした声で呟く。 「全軍……突撃!」 雄叫びが平原中に響いた。
/719ページ

最初のコメントを投稿しよう!