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昇降口をでると日はすでに傾いていた。
にも関わらずグラウンドや闘技場はかなり賑わっている。
放課後、思い思いの時間を過ごす生徒の顔は1日で一番輝いている。
キラキラと輝き落ちる汗のひとつひとつに、生徒の努力と夢が詰まっており、そこらへんの下手な宝石より価値あるものだ。
「君もあれぐらい一生懸命に剣の稽古をしてはどうだ?なんなら私が稽古をつけてやってもいい」
「い~や~だ~、は~な~せ~」
レクサスはズルズルとグラウンドを引きずられる。
制服のままで。
「まったく君は……。
そんなでは落第してしまうぞ?ただでさえギリギリだというのに」
フィアリアはため息混じりに歩みを止め、レクサスのほうへ向き直ってそう言った。
そう……、レクサスは俗に言う、落ちこぼれなのだ。
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