黒の大剣

47/47
12917人が本棚に入れています
本棚に追加
/719ページ
観客はいつの間にか消えていた。 (まぁ、あんだけ王政国家なら王が消えりゃこんなもんかね) レクサスはフィアリアに肩を貸してもらいながら、かろうじて立っている。 「しっかり立ってくれ!!私に必要以上に寄りかかるな!!」 「立てないから肩を借りてんだけどなぁ……」 こんな会話だけでも、危機が過ぎ去ったことを実感させてくれた。 バルエルとサラはというと、まだ目を覚ましておらず、フォルクスが持ち運んでいる。 宙に浮かして。 (いいなぁ……、オレも浮きたい) 「二人までです」 「心を読むな」 フォルクスは少しだけ微笑むと、 「さぁ、帰りましょうか?」 辺りはすでにオレンジ色になっており、それが更に終わりを実感させる。 レクサス達はフォルクスの描いた魔法陣の中に入り、眩しい光に包まれギルデノンへと帰っていった。
/719ページ

最初のコメントを投稿しよう!