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観客はいつの間にか消えていた。
(まぁ、あんだけ王政国家なら王が消えりゃこんなもんかね)
レクサスはフィアリアに肩を貸してもらいながら、かろうじて立っている。
「しっかり立ってくれ!!私に必要以上に寄りかかるな!!」
「立てないから肩を借りてんだけどなぁ……」
こんな会話だけでも、危機が過ぎ去ったことを実感させてくれた。
バルエルとサラはというと、まだ目を覚ましておらず、フォルクスが持ち運んでいる。
宙に浮かして。
(いいなぁ……、オレも浮きたい)
「二人までです」
「心を読むな」
フォルクスは少しだけ微笑むと、
「さぁ、帰りましょうか?」
辺りはすでにオレンジ色になっており、それが更に終わりを実感させる。
レクサス達はフォルクスの描いた魔法陣の中に入り、眩しい光に包まれギルデノンへと帰っていった。
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