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「オレには……、他人を傷つける技術なんて身につけられない……、傷つけるくらいなら……、いっそ自分が傷ついたほうが……、クゥ!」
レクサスは左手で自分の顔を隠し、顔を左上に向け、空を見上げそんなことを言っている。
「そうか、私がせっかく心配をしているのに……。傷つけられたいならやってやろう」
「や、やゃやゃやや……、やだな~、冗談だよ。アハハ……」
レクサスは乾いた笑みをフィアリアに向ける。
しかし、フィアリアからはすでに鬼の闘気が……。
「稽古だ、有り難くいただくんだぞ?」
「いやぁぁぁぁ……」
グラウンドにいる誰もが注目し、しばらくこの惨劇は有名になった。
――学生寮・エントランス
どこかホテルのロビーのような感じ。全寮制なので嫌でも広くなってしまうのだ。
天井には高級なそうなシャンデリアに、座り心地最高のソファーも並べられている。
「フィアリア……、酷いよ……、顔に手形まで残すなんて」
「あ、あぁ……、すまない。やりすぎた」
レクサスの頬には手形がくっきり二つ。
(しまったな……、やるなら見えないところにしておくべきだった)
フィアリアはレクサスの痛々しい姿を見て少々反省した。
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